"Unplugged"(2005) / Alicia Keys

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Amazon.co.jp: Alicia Keys Unplugged: ミュージック

発売1と同時に買ったんですが、何故か2〜3回だけ聴いて放置していた盤。 SpotifyやYouTubeで高音質配信されている今では、全く謎な存在、CCCD(Copy Control CD)であった、と言うのもあるかもしれません。

これ書くために引っ張り出して、何度目かの聴き直しをやっているのですが、割と良いですね。

何故、好きになれなかったかと言うと、多分ミックスだと思うんですよね。 この盤、例えば'90sの一連の"Unplugged"、例えばBabyface2、Maxwell3、と同じ様に、「小規模ホールの鳴りを生かしたライヴ感溢れるミックス」なんですが、それだとドラムがオフ過ぎで、彼女の持ち味を生かせないんじゃないかと思ったりするのです。 言い方を変えると、この盤を聴くと、彼女のスタジオ録音作品における、ビートへの執着が露になるんですよね。 Hip-Hop育ちらしい、ギリギリまで削ぎ落としたエッジの効いたビートが、彼女の「ソウル」を際立たせていたのが分かるのです。

この盤のための新曲 #5.‘Unbreakable’ や、カヴァー #9.‘Every Little Bit Hurts’ が、イマイチ面白くないのを除けば、この盤、良く出来ていますよ。 特に、ピアノ+歌+ヴォーカルハーモニーだけで、メロのダイナミクスを最大限に引き出した #8.‘If I Ain’t Got You’ 、アコギとピアノと控え目なドラムで演奏される #11.‘Wild Horses’ などはしみじみ良いですし、勿論、何度も歌い込まれて、21世紀のスタンダード・ナンバーにまで昇華されたと言って良い #15.‘Fallin’’ は、別格でしょう。

後、Nasの曲4を下敷きにしたポエトリーからビッグバンド・アレンジに雪崩れ込む #10.‘Streets of New York (City Life)’ 、ロックステディ風味のアレンジで歌われる #13.‘You Don’t Know My Name’ とか、CommonとMos Defをゲストに迎えたBrand Nubianのカヴァー5に、唐突にDamian Marleyが登場して、当時のヒット曲6に流れ込む #16. ‘Love It or Leave It Alone / Welcome to Jamrock’ は、彼女のR&Bだけに収まらないルーツが顕になって面白いですよね。

彼女のライヴの実力が示されて嬉しい反面、先が見えない感じもあり、少々複雑な盤なのです。 「これが杞憂で終われば良いのだけれど…」と、モヤモヤしながら次のアルバムを待つことになる、罪作りな一枚だったのかもしれません。7

Love It or Leave It Alone/Welcome to Jamrock (Unplugged Live at the Brooklyn Academy of Music, Brooklyn, NY - July 2005)