誰が名付けた謎邦題『ヒップホッパーズQ軍団の大冒険』。 彼らのデビューアルバム、‘90年作。1
(所謂)「ニュースクール・ヒップホップ」の新世代の騎手としてデビューし、ファニーなラップと、意表をついたサンプルネタで、云々。 …と、言われていましたが、久しぶりに、リマスタリングされたCDを買い直して聴くと、あれ?ここまでしっかりしたビート/ボトムだったの?と、新たな発見があります。2
とは言え、やっぱり上モノは、当時のヒップ・ホップにしては、メロウで優しいですね。 ラテン風味の #5.‘I Left My Wallet in El Segundo’、純粋なラブソング #7.‘Bonita Applebum’、「ワイルドサイドを歩け」3をサンプルした #8.‘Can I Kick It?’ 4辺りは、ヒップ・ホップの自由さの証明であり、後々の'90s-‘00sのメロウなラップへの礎になったと思うのです。
今、聴き直すと、彼らの意外なタフさと芯の強さも分かる、「出発点にして全てがある」とも言える、そんな一枚でしょう。 各種配信で気軽に聴けるので、気軽に聴いて、新たな発見をして欲しいのです。
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People’s Instinctive Travels and the Paths of Rhythm - Wikipedia ↩︎
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アナログ盤で聴いていれば、また違うんでしょうけどね。 それくらい、この頃のヒップ・ホップのCDのリマスタリングは、貧弱だったのです。 ↩︎
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人種で聴く音楽が断絶していた米国に於いて、ヒップ・ホップを聴く層は Lou Reed とか知らなかったと思います。 ↩︎