"The 12" Collection and More"(1999) / Cameo

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12-Inch Collection & More

とりあえず、 Cameo の楽曲集に関しては、この “The 12" Collection and More” と “The Ballads Collection” を聴いておけば、それでいいのではないのでしょうか?

…で終わらせたい!


1970年代中盤までの Cameo は、演奏力はあるんですが、楽曲がスカスカ、アレンジも手癖でしか無く、それにアルバム1枚作るだけのコンセプト/企画力も無くてですね…。 だから、アルバムにキャッチーな曲があっても、だから聴くのは辛いなぁ、と言う感じでした。1

その後 ’80s に突入して、シンセサイザー/ドラムマシン、ニューウェーヴ、ヒップ・ホップを、大きく飲み込みつつ、12インチ盤と言う実験できる媒体を得て彼らは覚醒する、そのドキュメントがこのコンピレーション盤だと思うのです。

アルバム・バージョンの “She’s Strange” と聴き比べると、ラップがメインのリミックス “Room 123 (She’s Strange) (Original 12" Rap Version)” と、ドラムとベースを強調した She’s Strange (Original 12" Mix) で、音楽のイメージが全然違います。 これをバンドリーダー Larry Blackmon の判断であった、と考えると面白いですね。

大ヒット “Word Up!”“Candy (Original 12" UK Mix)” も、単なる切り貼りエディットに終わらず、アレンジが新しく生まれ変わっているのです。

とりあえず、「ファンクとしてのCameo」を知りたいなら、まずこの1枚でしょう!と言いたいのです。


  1. 1990年代に G-Funk 経由でファンクを知った者の(素朴な)感想です ↩︎