Eric Sermon(E)とParrish Smith(P)の計画(Making Dollars)は、レーベル移籍しても、いつも通りやってやるぜ!!とも言える、3ndアルバム、‘90年作。1
Eが作るトラックは、2nd2のような飛び道具っぽい大ネタはなくなって、ひたすら重心低い重いファンクのサンプルとビートの反復。このアルバムから更に存在感を増したDJ Scratchの鋭角的なDJプレイと合わさって、(所謂)”ブーンバップ”の始祖と言えるのではないでしょうか。
性急な #1.‘I’m Mad’ で幕を開け、Hit Squadの若き暴れん坊?Redmanが暴れる #2.‘Hardcore’ から、L.L. Cool Jと Jingling Baby を(セルフ)引用した、 #3.‘Rampage’ で掴み、後は延々漢のファンクのループに身を任せればOKと言う、一代ファンク絵巻。
JBやKool & the Gang、P-Funk中心のネタ使いながら、 #10.‘Rap Is Outta Control’ では Was (Not Was) の声ネタをフックで歌うとか、Eによるファンク解釈も納得の柔軟性ですわ。
今となっては、ゲストも少ないし、歌メロが入るわけでもなく、ひたすら反復ビートとEとPの二人のラップ。 有名レーベルDefJamに移籍、ここまで来ても節を曲げず、それでもMaking Dollarsをやるぜ!、と言う決意表明。
単調に見えるかもしれませんが、重低音が出る再生環境、例えば良いヘッドフォンとかで聴けば、配信音源でも確実に分かる身体で感じられる音。2020年でも是非ですわ。