Eric Sermon(E)とParrish Smith(P)の計画(Making Dollars)は、決して一人じゃ出来ないんだぜ!!と宣言する、4thアルバム、‘92年作。1
EPMD率いるHit Squad2には、元々いたDJ Scratch、前作3で加入したRedmanに加えて、K-Solo、Das EFXも加わり、鉄壁のコンビネーションを築くのです。
とは言え、基本はEのビートの上で、#1.‘Boon Dox’ から最後の #11.‘Who Killed Jane?’ まで、EとPだけでマイクを握る、これがアルバム一枚をトータルなものにしていると思うのです。
キラーチューンは、EPMDとRedmanとK-Soloのマイクリレー/サイファーである、曲名通りの縦ノリ首振り曲 #5.‘Head Banger’ 。
その後に入る #7.‘Crossover’ は、Roger - ‘You Should Be Mine’ のモロ使いですが、同じアルバムの ’(Everybody) Get Up’ にEPMDの二人がラップで参加したことを踏まえると、サンプリングと元ネタを超えた絆が感じられますね。
当時のEの音作りは、重たく抉るようなベースの上に、幾つものサンプルを重ねて、時にサンプルのピッチを大きく下げ、フィルター処理を通し、諸々が混沌とした音に持って行っているのが分かります。 そう、Sly & the Family Stoneや初期Funkadelicがそうであったように。
ただ、ここら辺の「ファンク」な音作りは、その後1993年に出たEのソロ4辺りを最後に、多少?整理された音像に移行します。 世の中に求められる「ファンク」のあり方5を読める、Eならではだったのでしょう。
アルバムタイトルとは裏腹に、ここでEPMDは、最初の解散を迎えます。 でもここまで極まった「ファンク」を聴けば、それも良いではないですか、と言う感じです。
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Dr. Dre - “The Chronic"が1992年です。 ↩︎