いきなり表現者として大覚醒。 1973年の2ndアルバム1
もう一つの「声」である、 David Lindley のギターを得て、当時の仲間である歌手も多数参加し、メロディもアンサンブルも相当豊かなのです。
アルバムA面で軽快な #1.‘Take It Easy’ で掴み、その後、自省を踏まえた楽曲が続くのです。 #4.‘I Thought I Was a Child’ から *#5.‘These Days’2 の流れは、本当に良いです。
B面では、軽快なロックンロール #6.‘Red Neck Friend’ でスタートする、と言う展開が良いですね。
#9.‘Sing My Songs to Me’3 は、彼の表現者としてのマニフェストでしょう。 これ以降の彼の詞曲は、これからブレていないのです。
僕は、絶対出来ないと思われるかもしれないけど
でも、良い機会だから見て欲しいんだ
いつだって自由に振る舞って欲しい
僕が願ったことだから
なので、前曲からシームレスに繋がる表題作 #10.‘For Everyman’4 の重苦しさが、このアルバムを特別なものしていると思うのです。
(もう世界は終わるから)皆、明日の夜明けに、ここを立ち去ると言っている
信じるに充分な論議もしたと
夕方に旅立つために、切符も持っている
冷戦下にある、末期的な絶望下でミュージシャンは何ができるのだろう?と言う問いに、彼はこう歌うのです。
僕は、普通の人のために待っているよ
ここまで言い切れるミュージシャンは、なかなかいないと思っています。

