音楽千夜一夜物語 第十四夜 "Stay With Me"(1983) / DeBarge

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DeBarge - Stay With Me

とある酒が安いバーでは、毎度謎な選曲のBGMが流れているんですが、その時呑んでいたら、ちょっと前のR&Bばかり固めて流れてて、その中でAshantiが流れたんです。

あれ、ちょっと最近の曲かな?と思ったのですが、もう13年も前の曲だったのですね。1
Ashantiは、‘02年デのビュー当時から「‘90s初頭のR&Bの復権」を意識したような楽曲をベースにしていて、この"Foolish"は、The Notorious B.I.G.の"One More Chance / Stay With Me"を下敷きにしていたのです。 更には、“Foolish"には、The Notorious B.I.G.の生前2に録られたラップが入るリミックス"Unfoolish"もありました。 

勿論、“One More Chance / Stay with Me"は、DeBargeの"Stay With Me"が下敷きな訳で、もうAshantiは出発点からして、二重三重のレトロ、懐古趣味だった訳です。
ただ、だからと言って"Foolish"や"One More Chance”、“Stay With Me"の価値が減じることはないと思うのです。 歌詞やフレーズの一部を解体/再構築しつつ、新しい息吹を吹き込みつつ、伝承する、これこそが音楽文化「変わりゆく同じもの」の醍醐味なのですから。

DeBargeによる原曲は、メイン・ヴォーカルのEl DeBargeの、控えめな8ビートの間を縫うような歌唱に品の良いアレンジで、ソウルというよりAORとかフュージョンの風味ですし、本当なら夏の暑い中で聴きたいかな、と言う感じでしょうか。3


  1. 2015年当時 ↩︎

  2. The Notorious B.I.G.が亡くなったのは、1997年です。 ↩︎

  3. 2015/11/02 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎