音楽千夜一夜物語 第十九夜 "Word on a Wing"(1978) / David Bowie

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David Bowie - Word on a Wing


すごく好きなミュージシャンなんだけど、死んだことにそこまでショックや喪失感が無いのは、最後にアルバムを作って、ミュージシャンとして全うしたからかもですね。

老いや病と向きあいながらのミュージシャン人生、を意識しなくてはいけない時代だとは思うのですが、その一番美しい姿を示す、と言うのは、最高のミュージシャンシップの発露、と言えるのではないでしょうか。

そう、ミュージシャンでアーティストである彼が、最期まで、それを真摯に、誠実に貫いて去っていく、と言う最高に美しい瞬間に立ち会えたこと、これはどんなに感謝しても足りることはないでしょう。

と晩方にFacebookやTwitterに書いたんですが、感謝の言葉がどうやっても上手くまとまらず、書いては消してをやってたら、鼻がしゅんしゅん言ってきて、今は半泣きで、涙をティッシュで拭いながら、これを書いています。


アルバム"Station To Station"には、最高にクールなファンク #5.‘Stay’ や、よく聴くとセカンド・ラインな #4.‘TVC 15’ とか、そこまで大ヒットじゃないのだけれど、良い曲ばかりだし、音作りも同時代のどの作品にも似ていなくてユニークなもので、私はこれが一番好きな作品ですね。

アルバム中の #3.‘Word on a Wing’ は、メロウなバラードで、彼にとってのゴスペルとも呼べるものなですが、ここで提示される"Lord"は、(所謂)「神様」じゃなくて、「創造のインスピレーションや、それによってもたらされる幸せ」の暗喩じゃないかと思っています。1


  1. 2016/01/11 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎