音楽千夜一夜物語 第二十六夜 "Warwick Avenue"(2008) / Duffy

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Duffy - Warwick Avenue

2008年の曲だから、もう8年前の曲になるんですね。1

この曲が入ったアルバム"Rockferry"2は、その年の全世界売上げトップ5に入る程売れたのですが、その次に出たアルバムは、楽曲も歌唱も良くなくて、セールスも惨敗でした。 うーん、芸能界は水商売とは言え、ちょっと辛い話です。

…とは言え、“Rockferry"の素晴らしさは、少しも揺らぐことはないのです!! 作品は、その時点のベストを記録するもので(だから"record"とも言えるのですが)、その出来は風月に耐え、より一層輝きを増すのです!!って、やや大袈裟ですかね。


やっぱりこのアルバムは、「Dusty Springfieldが'60sに作ったかもしれない楽曲の完全再生シュミレート」と言うコンセプトの勝利でしょう。
勿論、彼女が書く良いメロディと、控えめだけど、ここ一番で刺さる歌唱、それを支える、ノスタルジックだけど、古臭くならないように細心の注意を払って構築された編曲、演奏があってこそなのですし。

…まぁ、‘60sソウル/ポップス楽曲の巧みななぞり書きが、‘00年代にも有効だった、と言うのは泣き笑いですけど。 この楽曲も、The Temptaionsの’My Girl’3が下敷きにありますし。

この緻密で、これ以上足すとトゥーマッチになる、ギリギリのラインを見切ってアレンジ/プロデュースしたのが、‘90年代にSuedeでギャリギャリしたギターを弾いていたBernard Butlerというのも、最初知った時は、「へぇー」とか思いましたね…。4


  1. 2016年当時 ↩︎

  2. Rockferry - Wikipedia ↩︎

  3. The Temptations - My Girl ↩︎

  4. 2016/05/31 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎