偉大なるギタリストNile Rodgersの良い仕事、その21
彼らの代表曲にして、全ての黒人音楽の金字塔1979年作。
仕方の無いことなんですけど、‘70年代後半に勃興したディスコブームの頃の音楽は、チャラかったわけです。
でも、どんどんジャズがフュージョンになり、フュージョンがファンクを取り込み、逆にディスコ側も、フュージョン流儀の洗練と、ファンクの重たいグルーヴを取り込んでいきました。 Earth, Wind & Fire とか、 Kool & the Gang とか、そうですね。
NY出身の生粋のディスコ/パーティバンドであった、 Chic が、そこら辺を読み取って放った、渾身の一撃。 洗練され、軽やかで、緻密で、ソリッドで、そしてこれ以上進むとポップじゃなくなる、と言う、重さと黒さのギリギリの見切り。
いやー、改めて聴くと、このグルーヴの中毒性は凄いですなぁ。
特に3:12辺りから始まる、ブレイクダウンして、ドラムとベースとハンドクラップだけになる部分、(所謂)「ブレイクビーツ」のカッコよさですよ。 これ、ベースもドラムも無茶苦茶上手いのに、それを我慢して、シンプルなフレーズを執拗に繰り返すことによって生まれる高揚感、最高ですねぇ!
ラップで初の全米TOP40に入った曲、 The Sugarhill Gang - Rapper’s Delight が、 “Good Times” の替え歌だって言うのは、色々示唆的ですわね。
ヒット曲のお気軽な替え歌ラップだった筈なのに、その後も、ずっと黒人音楽のインスピレーションの源泉になりました。 それもNile Rodgers/Chicのグルーヴが礎になっているからなのですね。2
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前回はこちら “Get Lucky ft. Pharrell Williams, Nile Rodgers”(2013) / Daft Punk ↩︎
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2018/02/23 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎