音楽千夜一夜物語 第六十五夜 "Give It All Your Heart"(1982) / Herbie Hancock

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Herbie Hancock - Give It All Your Heart

マイルス・スクール卒業生とソウル/ファンク その41

まぁ、 Herbie Hancock はジャズのみならず、ファンク “Chameleon” にヒップホップ “Rockit” 等々のエポックを残しているので、特段マイルス・スクールの卒業生と言うくくりは不要かもしれません。

彼も、‘70年代はディスコに急接近して、特に “Sunlight”(‘78) ~ “Feets, Don’t Fail Me Now”(‘79) ~ “Magic Windows”(‘81) ~ “Lite Me Up”(‘82) の一連の作品は、ヴォーカル入りで、ピアノ・ソロも少なく、思い切りポップに振った作風で、私はここらが大好きなんですよね。2

“Lite Me Up"は、Quincy Jones / Michael Jackson / EW&Fの作品に参加していたセッション・ミュージシャンを集めて作ったポップ作で、予算かけた割に売れなかったんですよね…。 これ以降、彼もディスコっぽいアルバムは作らなくなります。3

“Give It All Your Heart” は、 Rod Temperton 作曲で、デュエットのお相手は、 Patrice Rushen。 しっとりしたメロウなミディアムで、このアルバムの中で、一番好きですね。

Patrice Rushen4 、 Rod Temperton5 も鍵盤奏者で、彼女/彼の演奏には、 Herbie Hancock からの影響が強いので、単にセッションだけに留まらない、「恩返し」っぽいニュアンスがあるのがオモシロだと思います。6


  1. 前回はこちら “You Are My Starship”(1976) / Norman Connors ↩︎

  2. そして昔ながらのジャズ・ファンには不評だったり。 ↩︎

  3. でもその翌年に “Rockit” なのですから、相当センス尖ってましたね。 ↩︎

  4. Patrice Rushen - “Let’s Sing a Song of Love” ↩︎

  5. Heatwave - Boogie Nights ↩︎

  6. 2018/08/05 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎