音楽千夜一夜物語 第七十一夜 "You Nearly Did Me In"(1976) / Ian Hunter

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Ian Hunter - You Nearly Did Me In

映画「ボヘミアン・ラプソディ」に出てこなかった重要人物 その21

映画「ボヘミアン・ラプソディ」に出てこなかった/カットされた人物から、バンド Queen の音楽性を読み解きます。


1992年の「フレディ・マーキュリー追悼コンサート」では、 Queen 以外の曲が、2曲演奏されました。

“Under Pressure” を歌い終わった David Bowie が、客席に向かって語りかけます。

(大意)「みなさん、ご機嫌はいかが? ‘70年代には素晴らしいバンドがいっぱいいましたね。 T-Rex、Roxy Music、The Spiders from Mars2、そして、Queen。 本日は、もう一人の偉大な歌手を招いています!」

そして、招き入れられたIan Hunterが、「すべての若き野郎ども」“All the Young Dudes”を歌うんですよ。


‘92年の私は、そこまでブリティッシュ・ロックに詳しくなかったので、この意味が分からんかったのです。

Ian Hunter/Mott The Hoopleは、‘74年の全米ツアーで、前座でQueenを抜擢し、それによってQueenは全米でのブレイクのきっかけをつかむのですが、それ以上にメンバーは、Ian Hunterのことを野生と知性を兼ね備えたミュージシャンとして、とても尊敬していたのでしょうね。 そう考えると、この時点で、David Bowieとのコネクションもできていたのでしょう。

“You Nearly Did Me In"は、Mott The Hoople解散後の'76年曲。 サックスはDavid Sanborn3、ベースはJaco Pastorius、ドラムはAynsley Dunbar4、ギターはCornell Dupreeに、コーラスはQueen、と言う変わった組み合わせ。

Queenは、他のミュージシャンとのセッション活動が極端に少ないのですが、その一つがこれ、と言うのはオモシロですね。5


  1. 前回はこちら “Tattoo’d Lady”(1974) / Rory Gallagher ↩︎

  2. David Bowie 自身のことです ↩︎

  3. David Bowie - “Young Americans” ↩︎

  4. David Bowie - “Diamond Dogs” ↩︎

  5. 2018/12/05 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎