梯郁太郎の見た808夜の夢 その21
この頃の、マライアのc/wには「リミックスと称しつつも、全く別の曲、歌も録り直し、バックトラックも、カヴァーに近いものに差し替え」が多かったのです。
この曲も、The S.O.S Band - ‘Tell Me If You Still Care’ が下敷きにあるんですよ。
‘Always…’ が出た、1996年前後、「‘80s後半のキラキラしたブラコンをサンプリング/カバーしたヒップホップ」が流行りでした。 James Brown や、 P-Funk 、ジャズではネタ切れであったし、10年ひと昔で、割と新鮮だったのです。
まぁ、マライア自身も、その頃のラジオヒットが血肉になっているので、割りと自然に馴染んでますよね。
このリミックスのトラックを作ったのは、 Jermaine Dupri 。 Da Brat や Xscape は自分のレーベルの歌手。 自分のレーベルの親会社の社長、Tommy Mottola の当時の妻、すなわちマライアに尽力した、まぁ、浪花節ですね。
The SOS Bandは、アトランタ出身で、同郷の Jermaine Dupri はその影響の大きさを常日頃語っています。
でも、面白いですよね。 この曲に関わった人、全員出身バラバラ。
- The SOS Band … ジョージア州
- Jam & Lewis(原曲のプロデュース) … ミネソタ州
- Jermaine Dupri/Xscape … ジョージア州
- Da Brat … イリノイ州(シカゴ)
- Mariah Carey … ニューヨーク州
地域特性が超!強い合衆国にあって、これを取りまとめることができたのは、TR-808の作用が大きいと思うんですよね。 梯郁太郎の夢見た世界は、こう言うのだったのかもしれません。2
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2020/09/12 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎