音楽千夜一夜物語 第八十八夜 "Lover's Tears"(1989) / Dick Lee/Sandy Lam

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Dick Lee/Sandy Lam - Lover’s Tears

梯郁太郎の見た808夜の夢 その31

‘Sexual Healing’2は、とにかくコペルニクス的大発明だった、と言う他なかった訳です。

なにしろ、ドゥワップルーツの音楽だったら何でも入る。 この「情人的眼淚」は、カリプソのリズムなんですが、フツーに馴染む。 メロディーは、戦前上海歌謡だけど、それだって、オールドディキシージャズが根底にあるので、極々自然に馴染む。

また、1拍目のキックを強調しないが故、 Dick Lee と Sandy Lam がう「歌とバックボーカル」と言う関係では無い、別々のメロディーを歌うのですが、それも馴染む。

これによって、 Sandy Lam の素晴らしさが、ここ日本にも伝わった。 これはすごいことだと思いますね。

後、このアレンジをサジェスチョンした、プロデューサー、久保田麻琴(久保田麻琴と夕焼け楽団)の着眼点は流石ですわ。 マレーシア、香港、日本のコラボレーション、当時は、物凄く画期的だったのです。3