音楽千夜一夜物語 第九十七夜 "Robot's Return (Modern Sleepover Pt. 2)"(2007) / Talc

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Talc - Robot’s Return (Modern Sleepover Pt. 2)

よく分からないAORリバイバル その21

とにかく、頭から爪先まで、正体不明のバンドなんです。

一応、英国のセッション・ミュージシャン二人の即席/覆面ユニットであり、基本的に45回転7インチシングル盤しか出さない Wah Wah 45s からシングル盤しか出さない2、位しか情報が無いのです。

とは言え、その匿名性が故に、それが個性になっているのが得難いところ。 メイン・ヴォーカルは、ヴォコーダーを通しそれが優しい揺らぎになっていますし、時々入るヴォーカル・ハーモニーには、少々苦み走った味わいもあります。

この人達の他の楽曲を聴くと、やはり Steely Dan / Donald Fagen の影響が大きいのですよね。 成る程、 Steely Dan も今となっては、匿名性の高いバンドだったのだよな、と気付きがあったりもしました。3


  1. 前回はこちら “Back Seat Lover”(2013) / Mayer Hawthorne ↩︎

  2. 後に、編集盤と言う体で、アルバムが2枚出ました。 ↩︎

  3. 2021/04/30 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎