"Up for the Down Stroke"(1974) / Parliament

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Get Up for the Down Stroke / Everybody, Get Up!

Funkadelic1と共に、壮大に蛇行する、Parliamentの歴史の第一歩。1974年作。

Funkadelic “Cosmic Slop”2 録音の後に、Bootsy CollinsとEddie Hazelが復帰。 George Clintonは、レーベル3移籍に伴い、Parliamentを大型ファンクバンドへと変化させることを決断したのです。

アナログLPで言うところのA面、 #1.‘Up for the Down Stroke’ は、流石のBootsy Collinsのベースが効いたファンクナンバー。 タイトな管楽隊、鋭角的なクラビネット連打、ガヤ声も含む、わざとずらしたように、ねっとり絡みつく集団ユニゾンコーラス、「1974年のファンク」として、最強ではないでしょうか。

ただ、Bootsy Collinsが絡むのは、この曲と、 #4.‘I Can Move You (If You Let Me)’ だけで、残りは、雑多な曲調が整理されずに並んでいる、と言うのは、初期Funkadelicと共通するところです。

Motown時代のセルフカヴァー、 #2. ‘Testify’ は、流石に歌い慣れているのか、堅実なノーザンソウル。

Sly&The Family Stone風味のリズムボックスに乗せた、ルーズなヴォーカル・ハーモニーと、Eddie Hazelが弾く、エコーが掛かった、うねるような舞うようなギターが織りなす、密室ファンク #3. ‘The Goose’ は、Eddie Hazelのソロ作4にも通じる、隠れた重要作かもしれません。

B面になると、もっとファンクから逸脱した、「演奏が多少整理されたFunkadelic」と言う様相を呈していきます。

アコースティック・ギターの伴奏に合わせて、口笛がリードを取る、ソフトロック調の #5. ‘I Just Got Back’ は、P-Funk随一の迷曲でしょう。

Eddie Hazelのねっとり絡むようなギターが、ゴスペル調のピアノと絡む #7. ‘Whatever Makes Baby Feel Good’ 再度、リズムボックスに乗せたリズムが疾走するゴスペル #8. ‘Presence Of A Brain’ は、これ以降聴けなくなった、P-Funkの資質が剥き出しになった楽曲として重要でしょう。

そもそもまとめることが困難なP-Funkですが、強引にまとめると、バンドとして強力な一歩を踏み出した、このアルバム。 表題曲以外にも、聴きどころ多いので、アルバム全曲全部聴いて欲しいです。5

Parliament - Up For The Down Stroke