"Critical Beatdown"(1988) / Ultramagnetic MC's

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彼らの1stアルバム、1988年作。1

Ultramagnetic MC’sの魅力を説明するのが難しいのです。 と言うか、今の洗練されて聴き易いラップとは、出自も目指す方向も全く違うから。 「ミドルスクール」の魅力の権化なのですが、そも「ミドルスクール」の良さを、どうやって伝えるればいいの?から始めなくてはいけない気がしますし。

このアルバムは既出シングルの寄せ集めなので、トータルな完成度は全く無いけれども、Public EnemyのChuck D.が"King of The Singles"とも賞賛した曲の数々は、1曲にかける彼らの驚異的な集中力の証明でもあるのです。 寄せ集めとはいえ、Kool Keithの特異な押韻とか2、Ced-Geeのチープながらも破壊力最大なトラック3、等々、多分、何も考えてないだろうけど、奇跡的にカッチリ噛み合ってしまったために、どの曲も強力過ぎで、Hip-Hop史上稀に見る怪作になってしまった、と言うことです。

ただ、最近のアングラものにありがちな、「売れ線Hip-Hopから離れようとするあまり、Hip-Hopの楽しさまで放棄してしまった」とかいったことはなく、定番ブレイクビーツや、集団MCのコンビネーションはしっかり押さえられていて、そのバランス感覚は野生/現場で培われた物なのでしょう。 こう言う野生のノリがフツーに音源で聴けることが、1つのドキュメントを鑑賞しているかのようです。4

Ultramagnetic Mc’s - Ego Trippin’


  1. Critical Beatdown - Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Critical_Beatdown ↩︎

  2. 英語に堪能でなくても分る位、今のラッパーと比べて、明らかに変だと思います ↩︎

  3. 多分、機材の使い方分らないままノリとヤケクソな勢い(だけ)で作ってると思います ↩︎

  4. 2003/07/02 と 2007/10/20 に書いた文章に加筆訂正しました。 ↩︎